第6話 『私が、バトルする!』

1/11
前へ
/551ページ
次へ

第6話 『私が、バトルする!』

「空宮!」  会場中の視線が、武士のその声で一斉に舞翔へと集まった。  混乱しざわめき出した会場で、今一番困惑しているのは間違いなく舞翔だろう。 「ソゾン、ちょっとタイムな!」  武士はソゾンにそう言い放つと、バトルフォールドから抜け出して舞翔の下へと向かって来る。  どうしよう、どうすればいい?  舞翔が動揺でおたおたしていると、不意に突き刺さるような視線を感じた。 「!!」  見ればソゾンが鋭い殺気と共に舞翔を睨んでいるではないか。  ソゾンのシアン色の瞳の中、確かにそこに、舞翔が映っている。  その事にまるで雷に打たれたような衝撃が走り、舞翔は金縛りにあったように動けなくなった。  更に次の瞬間、モーセの海割りよろしく人混みが二つに割れる。  その先には武士が居た。
/551ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加