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第6話 『私が、バトルする!』
「空宮!」
会場中の視線が、武士のその声で一斉に舞翔へと集まった。
混乱しざわめき出した会場で、今一番困惑しているのは間違いなく舞翔だろう。
「ソゾン、ちょっとタイムな!」
武士はソゾンにそう言い放つと、バトルフォールドから抜け出して舞翔の下へと向かって来る。
どうしよう、どうすればいい?
舞翔が動揺でおたおたしていると、不意に突き刺さるような視線を感じた。
「!!」
見ればソゾンが鋭い殺気と共に舞翔を睨んでいるではないか。
ソゾンのシアン色の瞳の中、確かにそこに、舞翔が映っている。
その事にまるで雷に打たれたような衝撃が走り、舞翔は金縛りにあったように動けなくなった。
更に次の瞬間、モーセの海割りよろしく人混みが二つに割れる。
その先には武士が居た。
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