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舞翔は思う。なんだこれは、いったい何が起こっているのか?
「空宮! やっぱりバトルドローンが好きなんだな!」
目を輝かせ駆け寄る武士と、冷や汗まみれで真っ青な舞翔。
けれども武士が目の前に来るより先に、舞翔は武士の横をすり抜け駆け出していた。
「空宮!?」
とにかく逃げなければ、逃げたいと、その一心だった。
大変なことになってしまった、大変なことをしてしまった。
ソゾンと目が合った瞬間、喜びよりも先にどうしようもない恐怖が舞翔を襲っていた。
推しを見る事には慣れていた。
けれど、推しに見られる事など未来永劫想像もしていなかったのだから。
しかもただ見られたのではない。
バトルを邪魔した異物として、嫌悪感と怒りと共に投げかけられたその視線。
心臓がきゅっとなる、とはこの事だと舞翔は場違いにもそんなことを思う。
泣きそうだった。
訳が分からなかった。
どうすれば、いいのかも。
「空宮っ! 危ない!」
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