第6話 『私が、バトルする!』

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 無我夢中で走って、地に足も着いていなかったのだろう。  何かに足がひっかかったと、気付いた時にはもうバランスを崩して前のめりになっていた。  しかも運悪く、そこは階段だったのである。  転ぶだけでは済まないことくらい、一瞬で理解出来た。  あ、これはもしかしたらヤバイかも。  舞翔はやけに冷静にそんな事を思い、最早成す術も無く衝撃に備えて目を瞑った。  誰かが舞翔の腕を掴んだのは直後だった。  手首に感じた強い感触、同時に体中が何かに包まれ、どんという衝撃音がしたのに、体にそれほどの痛みは走らない。  嫌な予感しかしなかった。  目を開くのが怖い。  周囲から悲鳴が沸き起こり、一階からもざわざわと喧騒が聞こえ出す。 「いっててて」  耳元で聞こえたその声に、舞翔はがばりと体を起こした。 「怪我ないか? 空宮」  武士がにへらと笑っていた。
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