第6話 『私が、バトルする!』

6/11
前へ
/541ページ
次へ
 取り返しのつかないことをしてしまったことへの罪悪感。  推しに認識されただけではなく、嫌悪の対象となってしまった事へのショック。  思考に靄がかかってしまったように、舞翔は何も考えられなくなった。  やっぱり我慢していれば、そもそもあの日、河原でドローンの試運転などしなければ。  数々の後悔が頭の中を駆け巡る。  心が、沈んでいく。 「空宮!」  けれど。  その声はまるで邪を払う鈴の音のように響いた。  同時に舞翔は右肩をがしりと掴まれて、はっと顔を上げる。  目の前には武士の真っ直ぐな瞳があった。  動かせる左手で舞翔の肩を掴み、その青く光る黒い瞳で捉えるように舞翔を見ている。 「俺の代わりにソゾンとバトルしてくれねぇかな?」  
/541ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加