第6話 『私が、バトルする!』

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 やっぱり手が動かなくて、と武士は苦笑した。  その笑みの片隅にも苦痛が見て取れる。  きっと相当に痛いに違いない。  それなのに舞翔を気遣うように、武士は笑っている。  そう思った瞬間、心臓を締め付けるような痛みが走り、舞翔はきつく眉間に皺を寄せた。 「で、できない。私、エレキストは持ってきてない」 「そっか、お前のバトルドローンはエレキストって言うんだな」  武士は何故かとても嬉しそうに頬を緩めた。  舞翔の口から愛機の名前が出て来たことが、まるで心底嬉しいように。  少しだけ痛かった肩を掴む力が緩む。 「俺の“ゲイラード”を使ってくれよ」  舞翔は目を瞠った。 「出来ない!」  反射的に声が出ていた。  けれども武士はその表情を緩める事無く、真剣に舞翔を見詰めている。 「空宮なら出来る」
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