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「っ!」
舞翔は焦る。
武士VSソゾン。
世界大会前のこのバトルは、紛れもなく今後の二人の因縁の為にも最重要シーンだ。
武士はここでソゾンに敗北し、次こそは絶対に勝つのだと決意する。
ソゾンはぎりぎりで勝利を収める事が出来たが、武士の強さに一目置くようになる。
そして決勝戦までこの因縁は続くのだ。
それが無ければ、ストーリーは破綻する!
「っっわ、私が!」
「?」
気付けば舞翔はソゾンの腕を掴んでいた。
三人の動向を見守っていた観客がざわめく。
ソゾンは怪訝そうに舞翔を振り返った。
極めて不快だとでも言いたそうな冷たい視線。
舞翔はその視線に蛇に睨まれた蛙のごとく閉口する。
手に冷や汗をにじませながら、舞翔の心の中で思考が渦巻き始めた。
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