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「おい、ふたつとも消えたぞ!?」
「どこだ!?」
ざわざわと子供たちから驚きの声が上がる。
けれどもソゾンと舞翔には当然お互いのドローンの姿が見えている。
障害物も何もないシンプルなステージ。
身を隠す場所も無いのならば、小細工など不要。
二つの機体がぶつかり合う音が響き、観客はその時初めて既に戦いが始まっていたことに気付く。
「ゲイラードっ!」
一瞬の衝突後、舞翔はすぐにゲイラードを天井ぎりぎりまで上昇させ一度退避する。
普段使っている自身の愛機ではないことで、舞翔は上手く感覚を掴み切れずにいた。
「その程度か、女!」
ソゾンはそう叫ぶと、逃げられないと言わんばかりにゲイラードを追撃する。
彼が『冷血の吸血鬼』たる所以、容赦ない連続攻撃である。
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