第1話 『烈風飛電バトルドローン』

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 けれども、ブームというものは、やがて去っていくものである。  第一回世界大会開催後、バトルドローンの人気は、下火となっていった。  同じく時が過ぎ、前世の舞翔も少女から大人となり、周囲の目や環境から、玩具(おもちゃ)を手放さざるを得ない状況がやって来る。  お世話になった親戚の家を出て、ドローン操縦士として、大手ゼネコンに就職。  その技術を、インフラ整備の点検等に使うようになった。  朝から晩まで、働き詰めの忙しい日々。  ひとりの家に帰宅して、孤独に食事をしながら見つめるのは、テレビの中の『烈風飛電バトルドローン』。  薄暗い部屋でただひとつ、あの頃のまま、きらきら輝いている世界。  孤独に過ごす日々の中で、『烈風飛電バトルドローン』は希望であり、心のよりどころだった。 (そうだ、そうだった)  舞翔は、全てを思い出した。  就職して一年、滑落事故であっけなく死んでしまった、前世の記憶。  全てが豁然(かつぜん)と繋がった瞬間、がばりと起き上がり、思わず天を仰いで叫んでいた。 「私、モブに生まれ変わってる――!?」
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