恋のキューピット

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ーー 家に帰った俺は、さっそく愛花にメッセージを送るべくスマホを出した。 明日が土曜日とはいえ今は深夜だし、寝るときは通知を切っているだろう。朝起きてからでも見てくれたらいい。 ーー「最近忙しそうだけど、なんかあんの?」 とりあえず、倖の状態は伏せておくか。 それだけを送り、俺は倖の涙まみれの服を脱ぎながら風呂場へ向かった。 着替えを済ませて部屋に戻る。 ベッドにうつ伏せで倒れこんだ俺は、スマホのロック画面を付けた。 もう3時か……。疲れた。 俺はスマホから手を放し、そのまま目を閉じた。 ーー 翌朝、至近距離で鳴ったスマホの通知音で目を覚ました。 通知を切るのを忘れていたらしい。 あまり寝た気がしない……。 カーテンの隙間から差し込む光から目を背けた。 俺は寝た時のままのうつ伏せの状態で、スマホに手を伸ばした。 朝の7時25分。 メッセージ通知が1件。相手は愛花だった。 ーー「何? 倖くんに訊けって言われたの?」 察しのいいことで。 分かってるなら俺を巻き込まないでそっちで解決してくれと思わないでもない。
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