プレゼント

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 宅配便が届いた。知らない差出人からだったら受け取らないのだが、その名前はよく知っていたため受け取った。30センチ✕30センチの何の変哲も無い段ボール箱。持ってみると軽い。私はその名前を見てから胸の鼓動が止まらない。何が入っているかはある程度想像がつく。開けたくない、という思いが強いが、いっその事確認したい、という思いもある。その差出人の名前、忘れようにも忘れられない名前。私が手をかけた人間の名前だ。バラバラにしてうまく隠したはずだったが。あいつは完全に死んでいるはずだから、誰かに見られてたのか。まずいな。いろんな想いが交錯する。私は意を決して箱を開けてみた。予想通り、頭蓋骨が入っていた。
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