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〜 千景 視点 〜 俺から離れるならいっその事… 殺したい程に、喰いたいほ程に…愛してると分からせてやりたい。 そんな事を一瞬思ったが、行為をしながら喘ぐ様子や涙を流した雫が、真珠へと変わるのを見ると… 酷く扱おうとした俺が馬鹿みたいだと思った。 愛してるのは変わらない…。 離婚なんて一切考えてないし、今後もそんなつもりはない。 なら…如何するべきか…。 そう考えたのか、ミアに少しずつ俺が狼であることを知って貰えれば、犬が嫌いな理由も察してくれるんじゃ無いかと思ったんだ。 まずはそう…羽根で触れていた身体が、自然と触れてるのが羽根だと先入観を持ち始めた頃に、狼へと姿を変え、行為を行った。 「 ンッ…ぁ、あっ……!ふ、かっ…ぁ、あぁッ…! 」 「 ふ、ッ……は、っ…( この姿だと、単調的な動きしか出来ないな… )」 狼男の様に、多少人間味があれば腰の動きは色んなパターンを試せるだろうが、只のデカい狼でしかない俺には、この姿になると交尾をしてる犬程度しか出来ない。 それに多少強弱をつけたり、腰を軽く回すなんて事は出来るが…。  「 んぁ、ぁ、や、だ…ま、た…いくッ…ぁ、アっ…! 」 「( 快楽に激弱なハニーじゃなかったら…ダメだったかもしれないな…。すげぇ可愛い… )」 素の俺では満足させてやれない…。 そう思っていたが、ミアには十分過ぎるようだ。 そりゃこの姿だと陰茎のサイズはアップするし、抜けないように根元は膨らみ、先走りの量すら増えるからローションの代わりには十分な程にナカは濡れて、滑りが良くなる。 そのメリットを考えると、俺はこっちの姿でも好きになりそうなんだがな…。 「 ッ〜!!ぁ、あっ……! 」 「 は、くっ…… 」 数回目の欲を吐き出した彼女に合わせるように、奥に挿入したまま、薄くなることを知らない… 熱くて濃い精子を吐き出す。 「 はぁー、はぁ、く、んッ…… 」 達した後の感覚に浸る様に、荒い呼吸を整える彼女を眺めては、脈打つ陰茎から流れ続ける精子の感覚に背中の毛は逆立つ。 「( かなり…種付けしてる…。まぁ、狼と…人魚では無理かも知れないな… )」 どんなに精子を注いでも、子が出来ないのは知っている。 彼女がピルを貰いに婦人科に行ったフリをし続けてる事や子供が出来ないことも…。 全部知ってるが、別に構わない。 其れこそ、ミアが居れば十分なんだから… 世話が焼いて、妻を独占するような子供はまだいらない。 俺達は25歳なんだ。 子供なんて、29歳ぐらいでも遅くは無いと思うんだよな。 「( 今はまだ、この新婚気分を味わっていたい )」 子供みたいな言い訳だと言われるかも知れないが、愛しいミアを独占していたい。 俺との時間を一分一秒でも永く過ごして欲しいから、犬と子供は諦めてくれ。 その代わり… 寂しい思いはさせないから…。 「 ほら、ハニー。休憩は終わりだ。まだ続けるから、しっかり受け入れてくれよ? 」 「 ん……ぅ、ぅん…… 」 君の身体に、俺以外では満足しないようにするのだから…。 そう簡単にバテては困る。 狼の交尾は…ほぼ一日をかけて行うんだから、 今夜は遅くまでするつもりだ。 「 ぁ、あっ……!ァッ、あ〜ぁっ…! 」 「 はっ、ふ……くっ……はぁ… 」   狼になったり、人の姿に戻ったり、体位も様々に変えては…殆ど抜く事なく行為を続けた。   彼女が気絶の様に、寝落ちしてしまう迄行えば、最後はそっと抜き去ってから、身体をある程度綺麗に拭いた後、一緒に眠りにつく。 もう…離婚する、なんて言わないでくれよ…。 翌日、彼女より先に起きてシャワーを浴びてから、リビングや寝室に転がってる真珠を拾い集めては、いつもの宝箱の中へとそっと入れる。 鍵を掛けてから、書斎にある引き出しの中に直し入れ、少し名残惜しく眺めてから寝室へと戻った。 「 ん…… 」   「 おはよう、ハニー。お目覚めか? 」 ぼんやりと目を擦りながら、俺の方へと視線を向けた彼女の瞳は、人の眼球とは違って猫のような三日月の瞳孔があり、ピンクと紫が混じったような綺麗な瞳を向けてきた。 「( あぁ、人魚として…覚醒したかな )」 鰭は出てないけど、なんとなくそんな雰囲気がしてそっと頬を撫でれば、犬歯が見ける程の欠伸を軽くした彼女は、白くて細い両手を伸ばして来る。 「 ん、ダーリン…おはよう……。ぎゅっして… 」 「( っ…可愛いかよ…… )あぁ、いいよ 」 こう言うお願いなら喜んですると思って、そっと身を寄せて体重をかけない程度で掛布団の上から抱き締めれば、彼女も首へと腕を回し抱き締めてきた。 「 …昨日はごめんね…いっぱい怒って… 」 「 ……構わないさ。俺も感情的になって悪かった 」  「 んん…私は、やっぱりまだ…ダーリンとこうして、イチャイチャしてたいって思った…。もう少し…二人きりで過ごそう 」   その台詞を聞いて、心の中でガッツポーズをしてしまった。   犬に勝った。 もう俺に、怖いものなしだ。    「 嗚呼、気が済むまで二人っきりで過ごそう 」 そっと身を離してから、掛布団を開いてから中へと入ろうとすれば、少し身体を動かした彼女が、肩に触れてから俺の身体をベッドへと倒してきた。 「 ハニー……? 」 「 そう思うとね…。ウズウズして堪らないの♡えっちしよ、ダーリン 」 「 え、ちょっ……ハニー…。嬉しい誘いなんだが… 昨夜…めちゃくちゃしたばかりで… 」 いつも俺から誘う事が多かったから、素直に嬉しいが…。 寧ろ、このパターンは不味いんじゃないか?頭の血の気が引いていく感覚がした。   「 大丈夫。復活してるから、ヤろ! 」 「 ぬぁっ!? 」 そう言えば… ハニーの回復力半端ないことを思い出した。 高2で初めてヤッた日も、前戯に3時間かけたせいか知らないが、そこから6回は続けて行った。 その後、ほぼ毎日の様に俺の家で行為をしては、保健室、教室、部活の更衣室とか…。   タイミングさえあれば、ヤッてたと思う。 俺が彼女の甘い香りや容姿に負けて襲ってたような気もしてたが、 実際には…彼女の何気ない誘いに負けていたんだ。 そして…大学や新入社員になってから週に2、3回に減ったが、 その分やる時は一晩中だったり、休みの日は丸一日なんてザラだった。 外でのデートより、家でのセックス時間の方が明らかに長いってことを… 結婚4年目を前に気づくなんて…。 「 ちょ、ハニー…俺は勃たないかも… 」 「 舐めたら勃つかな…? 」 戸惑いながらも視線を向ければ、小さな舌先を出して、小悪魔の様に告げた様子を見て真顔になる。 「 それはもう…余裕でフル勃起だわ 」 「 ふふ、じゃ…舐めてあげる 」 「( 俺の嫁…やっぱり可愛い……。最高… )」 狼らしく毛繕いの様に舐められるのは愛情表現として受け取ってしまうから、フェラだろうがなんだろうが、して貰えるのは嬉しい過ぎる。 余りの興奮と歓喜に、無意識に尻尾を出して振っていたのに、彼女は尻尾の付け根を触る程度で、何も言わず陰茎へと舌先を当て舐めてきた。 「 はぁ、っ…ハニー…やばい、それ…めっちゃ、気持ちいいっ…… 」 「 ん、ふっ、そう……? 」 人ならざる長い舌を出して、陰茎に絡み付かせながら唾液の多い咥内で舐められる感覚に腰を震わせる。 「 そう言えば…。泣いてたからバレたと思うけど…。私、人魚は人魚でも…ヒメウツボって種類っぽいんだけど… 」 「 なんとなく気づいてた。でも…どんなハニーでも、世界一綺麗で可愛いよ 」 俺の腹の上で座った彼女を眺めながら、華奢な腰に触れて答えると嬉しそうな笑みを浮かべてきた。   「 じゃ、これでも……? 」 彼女は両手で顔を隠すように覆えば、その腹下からウツボのような顔が現れ、ぱっくりと臍下まで口が開く。 「( あーなるほど。"飲んでたんだな"…それじゃ、子供できないわ )嗚呼…可愛い。人外娘…最高過ぎる 」 「 そう?ふふ、受け入れてくれるダーリン好きだよ 」 「 じゃ、俺が頭3つにチンポ3本あるって言っても、好いてくれるか? 」 「 そりゃもちろん 」 「 ん、ありがとう。なら…もう隠すのはやめる。お互いに素で愛し合おう 」 俺達は、人間と違うからこそ惹かれ合ったのか…  それとも運命なのか分からない。  だけど、隠していたことは案外気にならない程度の事だと知った時には… この4年間よりも… ずっとお互いのことを知って好きになっただろう。 「 因みに、私…不老不死 」 「 奇遇だな。俺も妖怪だから不老不死だ。ずっと一緒に居られるな 」   「 そうだね!子供は百年後でもいいかも! 」   死が二人を分かつても… 地獄の底でも共に居よう。
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