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「そうやって、ふざけているから、信用ならないぞ」
「それはそれは……困るなぁ」
翔は笑みを浮かべたまま、玲に返す。全然困ってる風には見えないそれに玲はまた呆れた。
こんな注目のされ方でしか、自分を出せない翔。気持ちが届いて万が一この関係に歪みが入ると困るから。だから、翔はのらりくらりと躱してしまう。
自分の届けたい想いを置き去りにして。
***
それからも、翔の態度は相変わらずで玲も時に淡々と時に呆れて時に少し怒りながら、いつも通りの日々を過ごすのだった。
「玲ちゃん」
「なんだ？」
「可愛いね」
「……はいはい」
翔の言葉に玲はまたか、と呆れて返すだけ。そんな玲に翔は内心溜息をつく。この想いは届いているようで、届いていない。そのことがもどかしいし、悔しかった。まあ、気づかれない方がありがたいのだけれど。
ーーねえ、玲ちゃん。俺はね、本当に君のことが大好きなんだよ？
玲はどんな返しをしてもニコニコと嬉しそうにする翔を不思議に思い、眉根を寄せて問う。
「翔はさ、なんでいつもそんなに笑顔なんだ？結構私の態度も酷い時あるはずだけど」
「んー？だって玲ちゃん可愛いし、俺なんかの言葉でそんなにコロコロ態度変えて反応してくれるのも特別感？」
「……本当おまえってそういうところあるよな。ほんっと軽い」
ヘラヘラと笑みを崩さない翔に玲は呆れて溜息をつく。そんな玲に翔はまた笑った。
「でもさ、本当にそう思ってるんだって。だから、これからもよろしくね？」
「はいはい」
そして今日もまたいつも通りのやり取りをするのだった。そんな日々がずっと続くと思っていた。けれど、それはある日突然変わる。
「は？今なんて言ったの？」
「だから、最近みんなの様子が変なんだって。やたらとそばにくるし、声かけられるし。遊びに誘われるのも増えたな」
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