紙飛行機飛んで

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 不登校七日目。その日の夕方も駿太が来た。相変わらず家の前をうろうろしている。  私は部屋からそれを確認して大きく深呼吸をしてから窓を開けてベランダに出た。 「駿太!」  私の呼ぶ声に駿太が反応する。 「美奈!」  私は駿太への手紙を紙飛行機にしていた。それを駿太に向けて飛ばす。  よく晴れた空を紙飛行機は駿太に向かって飛んでいく。それはちゃんと駿太の手に収まった。 「読んで!」  駿太はうんと頷いて、その場で紙飛行機を開く。大事なこと大切なことを書いた手紙。その最後は『これからも普通に接するから普通に接して』で締められている。  一秒一秒が長く感じる。駿太は何度か読み返したのだろう。手紙を綺麗に折り畳んでポケットにしまってから、駿太は両手で大きな丸を作る。 「美奈、分かった! 全部受け入れる! だから明日学校来い!」  私も大きな丸を作って頷く。嬉し涙を流して。  あれから何年経ったろう。駿太は今も当たり前に隣にいる。いいだけ大人になっても。今も隣にいるからあのとき言葉にできなかったことをちゃんと口で伝えている。 「駿太、好きだよ」
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