愛することに疲れたみたい

3/5
前へ
/5ページ
次へ
 ホームセンターに着いた。手前の駐車スペースに停めた。 「あんな今ホームセンターに来たやろ」 「未来からそんなピンポイントでわかるんですか?」 「全部調べてある。今日そこに、ウチの友達がいてるねん。その子は品出しでバイトしてるねんけど、ちょっと声かけてドライブかなんか誘って」  えーっ、無理無理そんなの、やったことない。 「そういうのちょっと無理なんですけど」 「あんたは8年後そういうことばっかりするようになる。私が育児で大変やっていうのに、ほんまムカつくわ」 「すいません」 「今のあんたに謝られてもやな、まあいいけど、とにかく茜っていう子。名札つけてるからわかるはず。キャンプ用品担当やから。ボブぐらいの髪の長さで、ぱっと見は地味やけど、まあやることはやってる」 「何をやってるんですか」 「男や。好きやねん、男が。悪い子やないねん。性格もええけど、ちょっと弱いところがあって、まあ、しゃあないけど」  話が見えへんなあ。 「その茜さんに声をかけたとしましょう。断られません?」 「茜は今日ちょうど、欲しい日やねん。上手いこと言われへんけど、まーくんみたいなタイプは特に好きやから、100%オッケーが出る、間違いない」  未来から電話してるんやから、なんとなく説得力あるような気になってきた。 「デートしてそれでどうするんですか?」 「しばらく付き合って。2年ぐらい。それでまーくんが女の扱いを覚えた頃に、茜にクミっていう名前の友達と会うように、話をもっていくねん」 「それで俺とクミさんが出会って付き合うようになるんですか?」 「そうや、一目惚れや、ははは」本当かな。 「茜さんはどうなるんですか?」 「茜のことは心配ない。彼女にはたくさんの…友達がいる」  どうことやろう?もやっとするなあ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加