愛することに疲れたみたい

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「浮気って俺は彼女いてないですけど」 「まーくん、初めはエッチが下手すぎやねん、私すごい我慢して、演技してたんやから、それでちょっと女の扱いわかってきたら、浮気ばっかりやし、もう誰がテクニックを教えたと思ってんの、もう」  何?人違いかな?そりゃチェリーボーイやから下手やとは思うけど。 「いや、人違いじゃないですか」 「人違いじゃない。大阪府茨木市出身、松井雅彦、O型、水瓶座、好きな食べ物はトンカツ定食、嫌いなものはらっきょうとメロン」  俺や。俺やけど… 「クミさんでしたよね、誰ですか、心当たりが…」 「あんたの嫁や。未来の。私、20××年にまーくんに出会って、それから3年後に結婚して、子供ができるんやけど、まーくんが浮気ばっかりするからもう、病みそうになって、大変やったんから!」    プッ、プゥ。クラクションを鳴らされた。信号が変わっていたのに気付かなかった。慌てて発進させる。  それはどうもすいません、と一瞬思う。けど未来のことで怒られてもなあ。 「未来から電話?ウソ?」 「あんたが悪い。とにかく悪い。私と出会うまでに、女の子の扱いを誰かに仕込んどいてもらおうと思って、電話したんやんか」  どうこと? 「俺の奥さん?クミさんなの?」 「そうや、気に入らんか?あんたが結婚を申し込んだんやで。場末の喫茶店で」 「場末の喫茶店?なんでそんなところでプロポーズされたんです?」 「知らんがな、未来の君に聞いてくれ」  雰囲気ないな。喫茶店は渋すぎるやろ。
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