愛することに疲れたみたい

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 俺はラジオを聴きながら車を運転していたんだ。休みでちょっと買い物をしに近所のホームセンターに向かっていたんだ。  プリリリリリ、プリリリリリと携帯がなる。ハンドルのボタンを押して電話に出た。 「はい?」 「誰?」 「はい?どちらさまでしょうか?」誰って何? 「えー、クミです。そちらは?」クミって誰?そんな知り合いいてたかしら。 「松井雅彦ですが…」 「あー、やっぱり!まーくん!まーくん!の声やもんね。すっごい」  すっごい?何が?新手の詐欺かなんか?なんか当選するのかな? 「あのー、どういったご用件で…」 「‘まーくん、若い声やね、やっぱり。あれ歌ってる?ボヘミアン・ラプソディ?」 「どうして俺のカラオケの十八番知ってるんですか?」 「そりゃ私何回も聞いたもん、まーくんのボヘミアン。というかクイーンの方を聞いたことがないような気がするわ、はははは」なんか陽気な人やな。  何回も?そりゃあ、友達同士でカラオケに行けば、歌うけれど女子の前でそんなに何回も歌ったことないけどな。 「あの、すいませんけど、今運転中で、ご用件を言っていただけ…」 「あー、ごめんごめん、いろいろ言いたいことはあるんやけど、クレームやねん」クレーム?取引先?お客様?何やろう? 「あんた浮気しすぎやねん、それを何とかしてほしいねん」浮気?どういう意味やろう。専門学校時代に1ヶ月だけ彼女ができたけど、それ以来彼女いてないチェリーボーイやで。
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