悪夢

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悪夢

 あの女じゃ!痴漢ジジイは、そいつを指差して言った。 「って、いつもの変態ババアじゃねえか」  高いところに、ほとんど服着てないって体のコス着た、校長のババアが立っていた。  パンツ履けちゃんと。 「違う!儂も昨日はあやつをルルドと思った!あやつはルルドではない!儂を絞り尽くし、黙っててやるから何か悪さをしろと言ったんじゃ!」 「ってことはお前、何も痴漢する必要なかったじゃねえか。よし、うちの生徒に好きにしろっつって、放っとくことにしよう」 「嫌ああああああああああ!!」  まあ、娘っ子にボコにされるなら本望だよな? 「確かに、お前には女の絶望を集めてこいって命令したのに、やってたのは痴漢?役に立たないスケベジジイね?昨日は、私に孕め孕め言いながら。私が魔族じゃなければ、多分妊娠してたと思うけど?」  返す返すもしょうもないジジイだな?こいつ。 「あああ!いたな?!ルルコット!」  変態女の横に、小悪魔コス着たルルコットがいた。 「ふええ?校長先生に呼ばれたんですが」 「そんなことよりルルコット!俺のアレ、どこ行ったか知らない?!」 「えええ?!飴食べちゃったんですか?!ああでも、多分その内生えてくると思いますよ?」 「そしてルルコット!そいつはババアじゃない!偽物だ!」 「うええ?私校長先生だとばっかり――うええええええ?!」  ババアの尻尾が、長大な蛇になって、ルルコットを拘束して持ち上げた。 「ひえええええええ?!」 「ルルコット!」  ついで、ババアの姿が変わっていた。  髪の短い、おかっぱ頭の怜悧な女の姿があった。 「それでも、男にさせる仕事じゃこれが限界なのかもね?まあ、娘の絶望感はまあ、美味しかったわよ?ああそう、サルバトール、今度はこの子を抱かせてあげる。それとも、そっちの女?」  ええ?!それ俺?!  うええええええ?ジジイは嫌そうな声を上げた。 「流石にユノと同レベルのチミっ娘ではのう。じゃって儂、面食いじゃし」  ぶち殺すぞお前。 「私は、ゲーティアに名だたる悪魔、サマエラ。無垢な存在に悪夢の木の実を」  サマエラが、邪悪な魔力を漲らせた時、 「飴が欲しいです」  うわああああ!ユノ!お前!全然小悪魔コス似合ってねえぞ! 「お前!ミニスカから!くまさん見えてんぞ!」 「あれ?どうしました?ルルコット?」 「ユノ!何か、偽物の校長先生がいて!」 「ああそうだ!何か、いつものように魔法でぶっ飛ばしてやれ!」  え?あれ?俺のアレが、戻ってきたああああああ! 「解りました。疾風魔法、とう」  一瞬で、ルルコットを縛っていた蛇がバラバラになっていた。 「え?えええええええええ?!」  サマエラは声を上げた。  お前!それのどこが疾風魔法だ?!ただ手刀で切っただけじゃねえか! 「じゃあついでに。とう」  けったいな何かを食らって、サマエラはぶっ飛んでいった。 「それ、流星魔法、だっけ?」  初めて見た。ひまわり流星拳って奴を。 「はい。今回は秒で100発でした」  1秒間に100発てお前! 「ハロウィンをやると言うから見ていたのだが、何だこの騒ぎは?」 「魔王!いきなりやって来て何だ?!」 「やかましい勇者。おや?何故ここにいるのだ?アイスカフェオレを持ってこいと言ったのに貴様は」 ちっちゃい、コウモリ羽の付いた蛇を摘んでいた。 「おい、魔王、そいつは?」 「あん?おう。こいつは、私が引きこもる前に(しもべ)にしたのだが」 「つまり!この女デーモンが!ジジイに痴漢させたり!俺のアレをどっかに消したりしたんだな?!ってことは!全部お前が悪い!悪いんだから責任取れ!」 「貴様のアレを消し去ったとか知るかああああああ!何故私の所為になるのだ?!」 「んなのはあれだ!罰を受けるやつが必要で!お前にはピッタリだろうが!だって魔王だし!」 「無茶苦茶にもほどがあるぞ貴様あああああああああああああ!!」  まあ、幾ら魔王ったって、お前が全部悪いって流石に。  ああ面倒臭え。  あん?ユノが飽き始めてんな? 「ああ、ユノ。飴食う?」  ふおおおおう。 「魔王。よく解りませんが、お前が悪い」 「えええええええええ?!」 「よし!無事悪事の首魁を捕まえたんだ!あとはどんな罰を与えるかだ!って、ユノ、それは?」 「え?何か、八百屋さんがくれました。美味しくないそうですが」 「ああ。デカい奴は大味だって言うからな?ちょっと待っててな?」  そう言って、俺はキレテモータを抜いた。
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