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「先生ええええええ!トリック・アンド・トリートですわああああ!!」
何か、全身に包帯巻いた重症患者みたいなオーホホが走ってきてた。
「お前えええ!それの何がハロウィンだ?!」
「ハロウィンは、勿論ペイガニズムですわ!古のハロウィンでは、収穫を祝う為、牛を生贄として捧げたという儀礼がありますの!つまり!」
「生贄お前だあああああああ!フォおおおおおおお!逆念仏講展開なう!」
「うるせえよブリュンヒルデ!そんなの聞いてねえぞおおおおお?!危ねえ!」
ヒョイッと、上級生のタックルを躱した。
「生贄の先生!キャンディはお持ちですわね?!そのキャンディを奪い!ペロペロした女性が、今年のハロウィン女王として戴冠しますのよ?!」
「これ?!これか?!そんなの知るかああああああ!」
俺は、先頭を爆走する変態生徒コンビを、移動阻害魔法で転ばせた。
「ぎゃああああああす?!」
転んだ馬鹿は転んだ馬鹿を呼んだ。
付き合っていられん。俺は、会場から逃げ出した。
その時、
「ぎゃああああああす!お尻を!誰かが!マルゴ!痴漢を生かして返してはなりませんわ!」
「え?!お嬢様?!誰か!ここに痴漢が!やっぱりお嬢様のお尻は変態に狙われて!」
「マルゴおおおおおお!かましますわよ?!で?!私のお尻を触った変態は?!」
「――おりません!痴漢は、ここには!」
「はえ?!何ですって?!じゃあ、変態はどこに?」
ぎゃあああ!っていう悲鳴が、どんどん遠ざかっていった。
アカデミーの女生徒だけを狙う痴漢。
一体、何が起こってますの?
アリエールは、1人戦慄していた。
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