悪夢の始まり

2/2
前へ
/12ページ
次へ
「先生ええええええ!トリック・アンド・トリートですわああああ!!」  何か、全身に包帯巻いた重症患者みたいなオーホホが走ってきてた。 「お前えええ!それの何がハロウィンだ?!」 「ハロウィンは、勿論ペイガニズムですわ!古のハロウィンでは、収穫を祝う為、牛を生贄として捧げたという儀礼がありますの!つまり!」 「生贄お前だあああああああ!フォおおおおおおお!逆念仏講展開なう!」 「うるせえよブリュンヒルデ!そんなの聞いてねえぞおおおおお?!危ねえ!」  ヒョイッと、上級生のタックルを躱した。 「生贄の先生!キャンディはお持ちですわね?!そのキャンディを奪い!ペロペロした女性が、今年のハロウィン女王として戴冠しますのよ?!」 「これ?!これか?!そんなの知るかああああああ!」  俺は、先頭を爆走する変態生徒コンビを、移動阻害魔法で転ばせた。 「ぎゃああああああす?!」  転んだ馬鹿は転んだ馬鹿を呼んだ。  付き合っていられん。俺は、会場から逃げ出した。  その時、 「ぎゃああああああす!お尻を!誰かが!マルゴ!痴漢を生かして返してはなりませんわ!」 「え?!お嬢様?!誰か!ここに痴漢が!やっぱりお嬢様のお尻は変態に狙われて!」 「マルゴおおおおおお!かましますわよ?!で?!(わたくし)のお尻を触った変態は?!」 「――おりません!痴漢は、ここには!」 「はえ?!何ですって?!じゃあ、変態はどこに?」  ぎゃあああ!っていう悲鳴が、どんどん遠ざかっていった。  アカデミーの女生徒だけを狙う痴漢。  一体、何が起こってますの?  アリエールは、1人戦慄していた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加