マーメイド襲来

1/3
前へ
/12ページ
次へ

マーメイド襲来

 また1人、おばさんを転がした。  てかおばさん。おばさんのメス臭要らねえ。  これは、解る人間にしか解らんだろうなあ。  総数数百に上る女達が、メス臭という塊になって襲いかかる恐怖の光景。  あああ!高速移動魔法ばっかり!  クラスのモブ生徒を4人、転ばしたのだが、 「それでも!それでも先生が好きです!!」 「うるせえよ!昇級論文頑張れ!お前等!」  商業区を駆け抜け、ロータリーの噴水脇のベンチに座ったところで、噴水に引きずり込まれた。 「うばあああああ!今度は何だ?!」 「さ、寒い。先生、トリック・アンド・トリート?」 「お前!ガッタガタじゃねえか!エメルダお前!」  マーメイドコス着たビキニの生徒がいた。 「先生、ハロウィンだし、赤ちゃん作ろ?」 「とりあえず!お前はおっぱいを隠せ!乳臭要らんてだから!」 「冷たい。先生の心は、今のこの噴水の水くらい冷たい」 「大体!お前よく10月末に噴水の中にいたな?!」 「うん。最初は暖かかった。ファイアーボールで温泉みたいだったのに、どんどん冷たくなっていった。あの湖を、温泉にする必要性に気づいた頃、噴水はもうこうなっていた。誰かが投げたループ硬貨が何枚あったって、先生の心は買えない」  200ループくらい集まっていた。  湖の水直接引いてるからなあ。この噴水。っておい! 「お前えええええええ!お前まで!こんな頭の悪いハロウィン信じてんのか?!」 「元々の意義とか、教義的な意義ですら、人口に膾炙したお祭りの熱意の前には無力。ハロウィンて、エッチなコス来て先生に迫る。それだけに特化したお祭りになっちゃった。アリエールとマリルカの策略?」 「あいつ等あああああ!超許さん!」 「じゃあ早速、跪くから、そのキャンディをお口に突っ込んで?エッチにペロペロする自信だけはある」  あああああもうこの変態が! 「エメルダ!警告するぞ?!これ以上、俺の教員としての立場を脅かすな!」 「冷たい先生も好き♡使い魔召喚」  ニョキニョキと、大きな触手が水面から飛び出した。 「テンタクルスだな?!そんなもん喚びやがって!じゃあこっちも本気だ!オラああああ!ライトニング!」  ブロンズの俺でも、雷撃魔法くらいは使えた。  3秒後、ぷかーって、エメルダとイカが噴水に浮かんでいた。 「やってらんねえ。家帰ろう」  俺が、さっさと家路について、ガバっと、エメルダが顔を上げた。 「んきゃああああああ?!水着のブラ取られた!」  手ブラのエメルダが、変な悲鳴を上げていた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加