2人が本棚に入れています
本棚に追加
身体が重たかった。
これはどういうことだ?
彼にはぜんぜんわからなかった。
重症のインフルエンザの頭痛が、身体全体に感じられるような感じだった。
新しい爆弾の噂は聞いていたが、こんなひどいものだとは想像もしていなかった。
八月だから暑いのではなく、爆弾の熱がひどいのだ。
ひどすぎる。彼は涙腺すら乾いていた。
皆水を求めていた。
皆ひどい有様で言葉にしたくない、というのが正直な気持ちだった。
こんなものは二度と繰り返してはならない、と彼は怒りさえ絶望していた。
彼はこの日を忘れない、と誓った。
それから何が起きたのかはわからないが、爆弾が落とされたらしいのはわかった。
そのあと彼は意識を失った。
気がつくと病院のようなところに横になっていた。
「ピカ」とそばで誰かが言った。
また意識が遠くなったので、彼は自分は死んだと思った。
これ以上考えると、罰が当たりそうな気はした。
日本人は戦争をはじめてしまったのは間違いだったのであった。
最初のコメントを投稿しよう!