重たい

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 身体が重たかった。  これはどういうことだ?  彼にはぜんぜんわからなかった。  重症のインフルエンザの頭痛が、身体全体に感じられるような感じだった。  新しい爆弾の噂は聞いていたが、こんなひどいものだとは想像もしていなかった。  八月だから暑いのではなく、爆弾の熱がひどいのだ。  ひどすぎる。彼は涙腺すら乾いていた。  皆水を求めていた。  皆ひどい有様で言葉にしたくない、というのが正直な気持ちだった。  こんなものは二度と繰り返してはならない、と彼は怒りさえ絶望していた。  彼はこの日を忘れない、と誓った。  それから何が起きたのかはわからないが、爆弾が落とされたらしいのはわかった。  そのあと彼は意識を失った。  気がつくと病院のようなところに横になっていた。 「ピカ」とそばで誰かが言った。  また意識が遠くなったので、彼は自分は死んだと思った。  これ以上考えると、罰が当たりそうな気はした。  日本人は戦争をはじめてしまったのは間違いだったのであった。
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