生交渉

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小綺麗にされた打ちっぱなしコンクリート壁の部屋は想像したよりも暑くてカビ臭い。たわいもないお茶会のあとに手を引かれた先はいわゆる男のやり部屋だった。 こんな不潔な見てくれでもお金はそこそこ裕福なんだなと妙なところに感心してしまう。お茶会もなかなかのハイエンドなフレンチレストランだったし。 「あと1回、1回だけでいいからさ」 男は己の柔らかくぶらさがった男性器を寝そべった私の裸体に背後から擦り付ける。それが先程いった直後だったからか、それとも私の体温があがっていたのか、擦り触れる部分が少しひんやりしているようにも感じた。 「もう何回目?」 「いいだろ?減るもんじゃないんだしさ」 男は抱きしめるように、私の股にも下げられた同じ形のものを指でなぞりながら、擦り付けた自らのブツは再び硬くさせていった。 一方で私のそれは微動だに反応することもなく、(しお)れたまま落ち着ける場所を探している。男の汗と変な生臭さに部屋のカビ臭が混じって、やけに鼻をツンとさせると余計に私の気持ちは体温とともにクールダウンする。 ああ、今回もハズレか。 せっかく数ヶ月ぶりにというマッチングアプリの狭き条件の中で会えたというのに、私の中の女心をときめかせるような男はそうそう見つからない。 なにより擦っているだけで何度も何度もいけるってどういうこと?同じ男としても信じられないし情けない。 極めつけに聞けばこの男。結婚してるだなんて。 こんな情けない男が女も男も欲するままに手を出せているだなんてほんと嫌になる。 世の中の金はもう少しあるべきところにあるべきだとつくづく思う。これならまだ総理大臣夫妻の食卓に金を割いてくれた方が国の未来は明るいのではないだろか。私はそんな金のまわり方も嫌だけれど。

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