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同類の男
刑事が取調室のドアをノックする。中から応答はなかったが、流れのままにドアを開ける。そして、男モノのパンツを被った男と下半身に何も身に着けていない男が向き合うという世にも奇妙な光景を目にした。しかし、刑事は驚愕することもなく、ごく普通の反応…
「安久代さん、もう脱いでいるんですか?」
「もちろんだ」
「パンツを脱ぎ、自らの下半身を危険に晒すことで、日常ではありえない量のドーパミンが分泌され、推理が冴えるという摩訶不思議な現象が起きる男、安久代寛。またの名を変態デカ!」
「やめてくれ。そんなに褒められたら照れるじゃないか!」
刑事はやれやれといった感じで受け流す。
「…。で、どうですか。清田は真実をしゃべりましたか?」
「ああ、もちろん。これで事件は無事解決だ。すべてが明らかになったぞ」
「さすがですね、安久代さん。それじゃあ、終わったところで申し訳ないんですけど、次の取り調べもお願いします」
「今日はもう一回か?」
「はい。ちょっと難解な事件で安久代さんの力が必要なんです。我々には手が終えません」
「よし、わかった。俺に任せておけ!」
安久代はドアを開け、下半身丸出しのままで取調室から出て行った。
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