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訳あり義妹生活スタート
「幸太郎。ちょっと幸太郎どうしたの?聞いてる?」
この声は、今回の母親の声?
幸太郎・・・そうだ確か自称女神が、
今回も幸太郎って言ってたなぁ・・・
俺は魔法陣の光があまりにも眩しくて、
閉じていた目をゆっくりと開いた。
俺の目の前には転生時の映像で見た、
母親の朋子(ともこ)が、
座ってこちらを心配そうに見ている。
「どうしたの?いきなり考え込むように目を閉じて?そうだよね・・・やっぱりショックだよね・・・この年で再婚するなんてねぇ・・・」
咄嗟に頭の中で状況を整理する。
そうか転生したのか・・・
えっ・・・と、今は再婚の話をしていたのか?
俺が反対しているような感じに見られたら、
せっかく用意してもらった、
義妹との甘々イチャイチャ生活がなくなってしまう。
「イヤイヤ・・・そんな反対なんてことはないよ!ずっと母さんは僕のことばかりだったんだから。ここまで育ててくれたのは母さんのお蔭だし、母さんにも幸せになって欲しいと思ってたんだよ!」
義妹とのイチャイチャ生活のためなら、
なんだって言える
「幸太郎・・・幸太郎がそんなふうに言ってくれるなんて・・・」
俺の言葉が胸に刺さったようで、
母の朋子は感極まったようだ。
「ありがとう・・・それとね、実は相手のご家族には、幸太郎と同い年のお嬢さんがいるの・・・名前は円香(まどか)さんて言うんだけど・・・」
キター義妹情報!円香(まどか)さんか・・・
もう名前だけでもかわいい!そして同い年!
もしかして一緒にお手て繋いで、
通学しちゃうパターンですか?
義妹妄想が止まらない・・・
俺は耳をダンボのようにして、母から発せられる
義妹情報の続報に期待した。
「家族とはいえ、年頃の男の子と女の子が一緒に住むことになるでしょ?そのことに抵抗はない?大丈夫?」
母の心配など無問題。むしろ望むところ。
「全然問題ない!むしろ!・・・」
おっと危うく心の声が、本当の声になってしまった。
「全然問題ない!むしろ・・・というか、そんなことより母さんの幸せのほうが大事だから。相手のお嬢さんの円香さんが問題ないって言うなら、僕は大丈夫だから。」
ここで恥ずかしがるようなことを言ってしまったら、
義妹とのイチャイチャ生活か~ら~の~、
脱童貞という俺の夢が消え去ってしまう。
そんなこと絶対にさせない!
俺の決意を込めた言葉に、さらに感極まった母は、
「ありがとう・・・幸太郎。それじゃ私の再婚の件と、一緒に暮らすことにも、息子は賛成してくれたと、相手にも伝えるね。」
「分かった。俺もまど・・相手のご家族と会えるのを楽しみしてるよ。」
危ない危ない・・・また本音が声に出た。
俺は笑顔で言うと、
「そしたら近いうちに、お互いの顔合わせの場を作るからね。」
母の言葉に、楽しみすぎるのを悟られないように、
静かに頷いた。
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