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BL漫画の影響
彼方side
家に帰ると待ち構えている弟。
「さぁこのBL漫画を読めぇ!」
リビングで何やってるの?
両親は微笑ましそうにこっちを見てるだけだけど。
「わかったって。でもなんで急にこんな…」
「はぁ…彼方ってほんとバカだよな」
「そんな突然呆れないでよ。悲しい」
「はいはい。さぁ、部屋に行くぞ」
手を引かれて連行される。
仲いいわねじゃないんだよ、お母さん。
弟の部屋まで連れて行かれた。
陽太の部屋はすごく可愛いもので溢れている。
色違いのタイルとか、僕が埋まるほどの大きなふかふかクッションとか、そこかしこにいるカービィとか。
「それで?」
「BL漫画ハマった」
「そっか。じゃ僕部屋もどるね」
「えぇー、一緒に見ようよ〜」
「なんで…僕、恋愛モノ得意じゃないの」
恋をしたことがないから共感できなくて、読んでいてもあまり面白く感じられない。
「これは!これ読んでみて!」
陽太は押しに負けて一冊読むことになった。
学園モノで…女の子みたいに可愛くて目の大きな主人公が、睫毛の長い王子様みたいな男の子と出会って…
「ねぇ、これ読まなきゃだめ?」
「だめぇ!」
「はいはい」
端折ると…その後、色んな人と出会ってお互いが好きだってことに気がついて告白をして付き合う。デートに行ってキスをしてホテルに…って
「えっちなのは嫌だって言っただろ!」
結合部を見てしまって絶句する。
そこにいれるのか…。
「彼方、これが現実だ」
「何言ってるの漫画だよ」
「実際男同士で付き合ったら片方が尻、片方が」
「うわー!もういいって!なんでそんな話…」
はっ!
僕がもし圭太くんを好きになったらこういうこともするのか…?
「そういうこと」
「心の中よまないで」
「彼方は絶対挿れられる方だよな。準備の仕方とか…」
「決めつけないでよ!大体こんな…」
「え!挿れる方なの!」
「ちがっ…いや、わからないけど!僕たちはまだそんなんじゃないから。まだって言うか、このままずっと友達のままかもしれないし」
「まぁまだ進展はないよなぁ」
「あっ…僕の話って言っちゃった…」
気づかれた…。
「最初から気づいてたけど」
「そうなの!?」
「うん、彼方自分が思ってる100倍わかりやすいからね」
「うそ…」
「ほんと」
…まぁ、弟だからね。うん。
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