初恋トライアングル

告白

旭side

人付き合いに困ったことはなかった。
相手の様子を見れば何がしたいのかとか何を話したいのかとかが自然とわかってそれに同調してれば上手く行っていたから。

友達もたくさんいたし、中学に上がれば告白されることも増えて彼女もできた。
美人な母さんの遺伝子を引き継いだのか、顔も女子ウケがよくて、ヘラヘラ笑ってれば自然と周りがチヤホヤしてくれた。

中学生だし、そういう性的なことにも興味があって、行為をしてみたりもしたけど、特別なものは得られなくて、俺にとってはしてもしなくても別にどうでもよかった。

その後も何回か彼女が変わったけど、その気持ちは変わらず、「淡白だね」とか「私のこと好き？」って言われることも結構あった。

なるべく相手のテンションに合わせるようにしてたはずだけど女子ってそういうとこ鋭くて、振られては新しい子と付き合う…ってのを繰り返していた。

高校に上がる頃には俺って普通じゃないんだろうなって気づいた。

でも逆にそれを上手くやるのをゲームみたいに楽しんで遊んでばかりいた。

同じクラスの杉浦彼方に出会うまでは。