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次の日の学校。
圭太くんはいつも通り話しかけてくれる。
藤堂くんも一見いつも通りに見えるけど…、昨日あんな話をしたのにこんな風に圭太くんと話す僕のこともっと嫌いになるだろうなぁ。
授業中も僕は藤堂くんばかり気にしてしまう。
圭太くんと目があって、でも必然的に席の近い藤堂くんも目に入ってしまって、今までとは違って僕の存在を無視するように黙々とノートをとる姿に胸がズキズキする。
お昼休みになって、圭太くんが僕のところに来るときも、こちらを気にしているはずなのに、僕の方へは全く視線を向けてくれなくなって、周りの子達と話している。
無理に取り繕っているように見えて苦しい。
僕にはこんなこと思える資格ないのに。
「今日なんか、元気ないね。どうしたの?」
心配そうに僕を見つめる圭太くん。
「大丈夫だよ。昨日ちょっと夜ふかししちゃって眠いだけだから」
「そっか、寝不足って辛いよね」
よしよし…と頭を撫でてくれる圭太くん。
そんなことしないでほしい。
だってこんなの、全部…
「ごめん!ちょっとトイレ、行ってくるね…」
そのまま空き教室から出てトイレに向かう。
居ても立ってもいられなかった。
歩きながらも呼吸が乱れて変な汗が出てくる。
僕はずっと藤堂くんのことばっかり考えて…
今日は本当におかしい。
自分が自分じゃないみたいだ。
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