長い初恋

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そう思ってたのに。 そうやって自分の気持ちに踏ん切りつけてたのに。 杉浦彼方。 あいつを好きになったって。 本気で好きになったとか言って。 なんなんだよお前。 なんで俺の方を見ないんだよ。 男に本気になれんなら俺でいいだろ。 毎日デレデレヘラヘラしながら必死にアピールして、俺にはそんな顔向けたこともないくせに。 杉浦も好きじゃねぇ。 圭太から好かれてるくせに迷惑そうにしやがって。いやこんなん俺が勝手に思ってるだけだけど…。 圭太のことを好きになれねぇなら期待させるようなことしないでほしい。 潔く振ってくれれば圭太も諦められるだろ。 圭太の気持ちが女に向かってくれればまだ耐えられる。 …それに、もしかしたら俺の気持ちに気づいてくれるかもしれない。 そんなことばっか考えちまう。 本当に馬鹿だよな。 昨日、杉浦に色々ぶちまけちまった。 俺が圭太を好きだってことも、杉浦を疎ましく思ってることも、ほんと最低だ。 圭太の恋を応援してあげるべきなのにな。 今日トイレで見た杉浦は泣いていた。 普段の杉浦からは想像もできなかった姿。 俺のせいだ。 圭太はこんな俺のことを知ったら、嫌いになるだろうな。
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