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1.ドキドキ授業参観
「はい、はーい！」
今日は授業参観。
今回は社会の歴史の授業。
キンチョウしているのかみんなどこか恥ずかしそうにもじもじしている。
わたしもそう。
わたし、冬風 雪、平凡で地味な中学1年生。
季節は夏、教室のエアコンの調子が悪くて少し暑い。
キンチョウしていてみんな手を上げないなか1人だけ手をあげた。
クラスの女子にひそかに人気の夜山 月斗くんだ。
つきとくんは、夜に光るお月様みたいだけどどこか近づきがたいところがあってたいていの女子は自分から声をかけることは少ない。
「ほかに手をあげている子はいないな？それじゃあ、つきと！」
「答えは北里柴三郎です。」
うん、あってる。
「そう正解だ！」
みんなが拍手をするなか、静かにいすにすわるつきとくん。
誰も手をあげないなか手をあげるなんて勇気があるなぁ。
わたしとは大ちがいだ。
わたしなんか、答えを知っているのに手をあげないなんて…
自分でも弱虫だなって思っちゃう。
つぎの問題を先生が出しはじめた。
つきとくんも考えている最中みたい。
もしかして…今の時点でわかっているのってわたしだけ？
だけどわたしは手をあげる気はない。
つきとくんはまだ考えているみたい。
だけど手はあげない…
だって…手をあげるのってこわいじゃん。
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〜豆知識〜
北里柴三郎は破傷風の治療法の発見をした人
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