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「昨日は急に帰ってしまって、すみませんでした。赤ずきん役、引き受けます」
「ありがとう、楪君。じゃあ早速なんだけど衣装班に行ってもらってもいい?衣装と、後髪型の指定とかもあるはずだから」
「了解です。」
「悠矢、僕も行くよ」
「え、大丈…」
「(髪型の時、危ないかもだろ)」
ああ、ウィッグのことか。
「じゃあ、明人行こうか」
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2人が教室をでていってから、
「あの2人ってなんか波長合ってるよな」
「仲いいよねー」
「なんかさ、2人だけの世界があるよね」
「ね、わかるわかる」
という会話がされていたことを、当の本人達は知る由もないのであった。
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「すごいね楪君。ぴったりだよ。衣装の手直し、必要なさそう!」
「良かった」
「悠矢―。これ、指定の髪型だって。多少は自分に似合うように変更していいらしいんだけど…」
明人がキャラの図面を見せてくれた。
「うーん…メガネは良いかな」
「メガネは大丈夫だってさ。髪型は赤色であれば基本的になんでも良いらしい。ただ、顔は隠さないでほしいって」
「そうだよなー。劇だし」
「(大丈夫そ?顔隠したいなら…)」
「(いや、大丈夫。髪色変えればばれないだろ)」
「(そっか。悠矢がそういうなら)」
「(ありがとな)」
「悠矢、髪型問題ないってー」
「なんで鈴木が答えんのよーwww」
その日のうちに美容室へ行って髪を整えてもらった。最近のヤクザはいきつけの(というか囲い込みの)美容室があるのだ。こういう時自分の立場って便利だと思う。だって、飛び込みなのに一番に通してもらえるんだもん。うん。若頭になってよかった!
とりあえず図面をみせて、こんな感じでと頼んだ。保健室の時は例外中の例外としても、文化祭という何が起こるかわからないところでのウィッグはちょっと危険すぎやしないかということで今回は地毛を赤く染めることにした。それに、ウルフヘア(?)というものにするためエクステ(?)を少しした。一週間だけ金髪とお別れだ。今週は仕事がオフで本当に良かった。金髪は気に入ってるからはやく戻してぇ。美容師も、「若が金髪じゃないなんて、信じらんねえ。」「若にブリーチ、リタッチ以外をする日が来ようとは…」とかなんとか妙なところに感激していた。
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