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悠矢が赤ずきん役を引き受けてくれた翌日。 僕が登校すると悠矢の席の周りに人だかりができていた。最近は仕事もお休みらしく、早めに登校してくれるようになったので僕は…嬉しい…!! 「おー、みんなおはよ。どうした?」 「どうした、じゃねえよ!」 「楪ってあんなイケメンだったのかよ⁉」 「原石掘り当てたって感じね…」 ん?もともと悠矢はかっこいいが…な!?!?!? 目を向けると、そこには王子様がいた。 メガネをかけてこの美貌…末恐ろしい。 「ねーね、悠矢君、今日一緒に稽古しない?」 「鈴木君も自主練する時間必要だと思うしさ、どうかな?」 「え、でも」 女子と話している悠矢を見て、なぜか胸がチクり、と痛んだ。 「いいんじゃない?みんなと仲良くなるのも大切だろ」 「え、そうだけど…わかった」 女子たちからまさに黄色い声があがる。 ふん。悠矢がかっこいいことは僕の方が先に知ってたけどな。僕だけが知ってればよかったのに…。なんて、違う違う。いいことなんだ。これは。悠矢にとって貴重な普通の高校生活を送れるチャンスなんだし、応援しないと。 うん、そうだ…応援、しないと。よかったって思わないと…なのに、なんだろう、このモヤモヤ。
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