you are...!

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「おい、どうした」 衣装を着て出てきた悠矢は正直かっこいいというよりかわ…何を考えてるんだ僕は! 「すごく似合ってる」 「明人もな。かっけぇな」 「そう、か。じゃ、行くか」 にやけそうになるのを必死に隠しながら看板を持った。 「おう」 ー---------------------------------- 「1年5組、アナザー赤ずきんやります!」 「14時開演でーす!」 と、声を張りながら歩いていたのだけれど。 「写真撮ってください♡」 「あの、講演後にチェキとかってありますか?」 「絶対行きます。ファンサください♡」 とまあ、こうなったわけで…。宣伝としてはこれ以上ないほど成果を上げていると思うけど、僕は多少慣れているけど悠矢が困っている! 「あ、明人…ちょ、助けてくれ」 悠矢が困っているのは最高にかわい…そんなこと考えている場合じゃないな。うん。 「はーい、僕ら他のとこにも宣伝しなきゃだから、ごめんね。みんなさ、公演見に来てね?そしたらみんなにまた会えるからさ。楽しみにしてて」 「はーい」 一斉に人が去っていった。 「……」 「悠矢?」 なぜか悠矢が不機嫌そうだ。 「…チャラくなりやがって」 「は⁉⁉どこが⁉」 「慣れてんだな、こういうの」 「悠矢こそ、こういうの慣れてるかと思ったのに」 「魂胆見え見えの夜職女達にはな。まだ学生の奴らにどんな対応すべきかなんて知らねえよ」 「悠矢も学生なんだけどね…」 「…だ・ま・れ」 「ごめんごめん。あ、そうだ言い忘れてた」 「ん?なんだよ」 「悠矢、かっこいいし、可愛いね」 「は⁉可愛いってなんだよ」 「だから、可愛いんだよ」 「意味わかんねえ」 「なんか言いたくなっちゃった。嫌だった?」 「いや、そうでもねえ。親父によく言われるし」 「そうなんだ…」 悠矢のお父さんってどんな人なんだろう。裏社会の人間なんだろうし、きっと怖い人なんだろうな。
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