アクシデント

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アクシデント

カシャン、と音がして次の瞬間には自分の眼を疑った。 だって、11年間探してきた、ずっと会いたかった人が目の前にいるのだから。どうして、今まで何も気が付けなかったんだろう。こんなに近くにいたのに…。 「悠真…。」 「し、失礼しました。赤ずきん様、ウル様。壊れてしまったこちらのメガネは回収させていただきます」 「悠・・・・」 「ウル、これからこの国はきっと大きく変わるね。どんな時も僕の隣にいてくれるね」 はっとして我に返った。そうだ、今はまだ公演中だ…。僕はウルだ…。 「ああ、そうだな。俺は何があってもお前の隣にいる」 「ウル…愛してるぞ」 「お、俺もだ。もう二度と離さない。俺だけの…赤ずきん」
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