悠矢のお父さん

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悠矢のお父さん

目が覚めると、見覚えのない天井が視界に飛び込んできた。 「あれ…ここどこ?僕は…」 「おはよ、酔っぱらい」 ん?なんで悠矢が…? 「おー、おはようさん。よう寝とったなぁ。気分はええか?」 「ちょ、なんで来てんだよ。迷惑はかけねぇから」 「ちゃうちゃう。悠矢が初めて友達を家につれてきたって聞いて飛んできたんや。明人君、仲良うしてやってな?」 えーっと、 「どなたですか…?」 「あー、せやったせやった。なんも言わんかったらわからんよなぁ。」 「親父だよ。なぁ、もういいだろ?すぐ帰ってもらうからさ」 「え、そうなん?でも明人君、帰ってもだぁれもうちにおらんのやろ?いてもろたらええやん。悠矢も友達と遊び」 あれ?確かに両親は出張中だけど… 「てか、なんで僕はここに?焼肉屋に行ってたことまでは覚えてるんだけど…」 「店のミスでな、明人は酒飲んだんだよ。酒弱いんだな、明人は」 「は!?酒!?えーっと、それで…?」 「はぁ…そんで、潰れたお前を押し付けられた、クラスの奴らに」 「え、なんで」 「それは…お前のせい…」 「え?」 なんだか、悠矢の顔が赤いような…気のせいか? 「とにかく!聞いたら両親家にいないって言うし、家に帰りたくないって言うからさ。しゃあねぇから俺ん家連れてきたんだよ。お前には色々バレてるしな」 それは… 「ご迷惑をおかけしました…」 「本当にな!?」 「まぁまあ、そない怒らんでもええやんかぁ」 「親父はだまってて!」 なんか…あんまり怖くないな。悠矢のお父さん。
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