休日

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ええええええ⁉悠矢のお父さんと2人きり⁉しかもさっき、悠矢は若頭だとかなんとか…あれ、若頭ってかなり偉い人なんじゃ…。 「緊張せんでもええよ。いい子には怖いことなんかせえへんし」 「あ、はい…。あの、悠矢ってその、偉い感じなんですかね?この組だと」 「そうやねぇ、No.2やね。というか次期組長やからほとんどトップやな」 って、ことは…。 「ああ、今の組長は俺や」 やっぱりー!! え、僕は今ヤクザの組長と一緒に料理しようとしてんの?大丈夫か僕⁉僕が料理されたりしないか⁉ ガラガラ、と扉が動く音が聞こえた。 「今日は何にする―?」 「確か組長も若もいるんだろ?」 「若がいるって久々だなー」 と、3人分の声が聞こえ、直後、静寂が訪れた。 「く、組長…その、なんでここにいらっしゃるので…?」 「後ろの男は新しい組員ですかい?」 静寂を破ったのは瘦せ型の男2人。屈強な男は固まったままだ。 「あー、気にせんでええよぉ。この子はねえ、悠矢のお友達なんだって。嬉しいよなぁ、悠矢が友達連れてくるなんて初めてやし」 ね、と笑顔を向けられる。 僕は、ひきつった笑顔を返すのが精一杯だった。 「でもやっぱり俺がいたら料理しづらいよなぁ…明人君、料理はまた今度にしよか。あっちで話でもしようや」 そうして僕は、組長(悠矢のお父さん)と2人きりですることになったのだった…。
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