神宮路君と蓮山くん

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神宮路君と蓮山くん

「これは、どうしたの?」 翌日、登校するとうちのクラスに神宮路君が来ていた。それも膝の上に蓮山君を載せて。 「あー!やっと来た。明人、お前大丈夫だったか?」 ん?なんのことだ? 千歳君に聞こうとすると、神宮路君が口を開いた。 「玲、そろそろ俺帰るよ…」 「まだ鐘なってねぇ。いろ」 「はぁい」 口調こそ蓮山くんだけど…。 「なぁ、千歳、何があったんだ?」 「は?お前覚えてねえの?」 「え、なんのこと?」 「焼肉屋でキスしたんだよ、あの2人」 「え、マジか。付き合ってんの?」 「そう」 僕達の会話を遮るように蓮山君が声をかかけた。 「あれ?でも、焼き肉屋でキスしてたカップルがもう一組いたって聞いたけどなー?俺達だけ言及されるのはちょっとひどくない?」 なんか僕、見られてる…? ガラガラ、と扉が開いて、サラサラの金髪が視界に飛び込んできた。 「悠、」 「おっ、やっと来た!」 「楪ー、あの後どうだったん?」 「主役がやっと来たよ」 クラスメートが悠矢を囲んでいる。 焼き肉屋でキスって…もしかして悠矢が?嘘だろ…相手は?え…誰だよそいつ。 「なんの話?席座れないんだけど」 直後、チャイムが鳴り一旦話は終わった。昼休み、聞いてみようかな。でも、怖いな。聞きたくない気持ちの方が大きい。 悠矢が、少し遠く感じた。
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