who are you?

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「なぁなぁ、聞いたことある?天使の悪魔(エンジェルサタン)!!」 「え?なにそれ?」 翌日、登校すると学校中でエンジェルサタンという者の話題で持ちきりになっていた。クラスに入るなり千歳、倉方、安永の3人に捕まった。 「昨日さ、カラオケ帰りに俺達会っちゃったんだよ」 「だからなんだよ」 「実はさ、昨日さ、俺と倉方と安永は家の方向が一緒だったから一緒に帰ってたんだけどさ。その時に魔が差しただけなんだけどいつも行かない路地裏の近道ルートで帰ろうってことになってさ」 「え、そこって確か治安悪いって…」 「治安悪いしやめとけって僕は言ったんだけどね。」 「昨日はテンション上がっちゃってさ。そんで進んでいったらさ、ヤクザっぽい人に絡まれちゃってさ。」 「もうね、みるからにヤバい人だった。ガキがこんなとこで何してんだ?って言われてさ。」 「もう回れ右して帰ろうとしたんだけど」 「いつの間にかその人らに囲まれちゃってさ」 「え、ガチ?」 「ほんとなんだって」 「むしゃくしゃしてるから殴らせろとか言ってくんの。」 「もうマジで終わったって思ったよな」 「「「なー」」」 「そしたらさ!」 「急にドカーンって音がしてな。みんなそっち向くじゃん?そしたらいたんだよ!」 「?」 「「「エンジェルサタン!!」」」 「え、エンジェルサタン?」 「うん。絡んできた奴らがそういってた」 「すごい怯えようだったよね。お、お前はえ、エンジェルサタン⁉ってさ。」 「うんうん、それで一目散に逃げていったもん」 「え、お前ら大丈夫だったの?そいつの方がやべえ奴ってことなんじゃ?」 「それがさ、超イケメンで!」 「あそこまで金髪が似合うイケメンがいるかねってぐらいでさ」 「そうそう。そんで胸元にでっけータトゥーあったよな」 「え?金髪で胸元にタトゥー…?もしかしてそれって羽だったりした?」 「え?明人なんで知ってんの?もしかして知り合い⁉」 「いや、えっと、その、僕も助けてもらったことあってさ。ちょっと前に」 「なんだー。知り合いならまた会わせてもらえると思ったのにー」 「そんで大通りまで一緒にいてくれてさ。」 「危ないからもうこんなとこ来ちゃだめだよーって言われたんだけど、もうイケメンがっ眩しすぎて」 「俺もうキラキラって見えたもん」 「それなー」 そんな話をしているうちに、チャイムが鳴る頃合いになった。 いつも楪君はこの時間に来る。 開いている後ろ側のドアからもさっと黒髪が見える。 来たっ! 「おはよう!」 どうだ…?やっぱ学校では話したくないかな… 「…はよ。」 っしゃぁぁ! まだ挨拶だけだけど、進歩だ進歩。 やったぜ。絶対仲良くなってやる。
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