人になれない僕たちは

12/13
前へ
/13ページ
次へ
「あ、れおん起きたぁ?おはよー。」 目が覚めると、にこにこ笑顔な獅温がいた。 「ここ、天国?地獄?」 「ここ、現実。まだ生きてるよ」 「⁉⁉⁉⁉⁉」 「うんうん驚くよねえ。俺も驚いてるもん。でもね、なんか僕もれおんと同じ能力持っちゃったみたいだよ?」 「え?なんで…」 「れおんさ、俺が死んだあと自殺して大量出血したでしょ?」 「え、うん。」 「たぶんそれ。俺の身体がれおんの血を吸収して…そんで生きてる!」 よくわからない、理解できない、頭が回らない…でも、でも… 「っ生きてて良かったぁぁぁぁぁ。」 「なんでよ。死にたかったんでしょ」 「僕じゃなくて獅温だよぉぉぉぉ」 そのまま獅温にくっついていた。 「もう、甘えんぼになったね?」 「なんでもいい。お前が生きてくれて、それだけで僕は十分幸せだから」 「わあ。人間らしくなったねえ。ま、俺もだけど♡」 「獅温も僕とおんなじになったって言ってたけど、能力はどうなってんの?」 「ああ、どっちも残ってるねえ。れおんも俺の血、飲む?」 「え?」 「だって俺だけ血もらうのってなんか違う…。」 がぶっと獅温の首を噛んでやった。ぷつ、と血が流れて僕は獅温の存在を確認するように、永遠に失うことがないように血を飲み続けた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加