人になれない僕たちは

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ガッシャーンと大きな音がして、体育館のドアからバイクが見えた。 「シオンの野郎はどこだぁぁぁぁぁ⁉」 いかにもといった風格の男がそう叫び、手下どもも口々に、どこだァ⁉やら、出てこいや、やらビビってんのか?やら好き勝手に叫んでいる。いや、うるせえよ。つか誰だよ。つか入ってくんじゃねえよ。 「お前ら、うるせえ。そして誰だ?つかそもそも俺の学校に入ってくんじゃねえよ」 おっと。まさか獅温と思考が丸被りするとは。 ざっと50人はいそうだ。これぐらいなら獅温一人でどうにかできそうだけど、やっぱり一般生徒が人質にされている状態だからなあ。めんどくさいね。そうだよね、命は一つしかないんだもんねぇ。 「てめえら、卑怯な手使ってんじゃねえよ」 空気がピリッと乾いた。 「てめえら…×××」 獅温が呟くと、ドクン、と心臓が強く鼓動し、停止した。
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