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やっほー、は場所を特定するため。そして力をある程度与えて美味しく食べる為。あ、これ何か覚えがある、と慌てて入力する。
【注文の多いレストランやんけ!】
【お、上手いね】
【ちょっと待って対策は】
【ここに書いたら喰羅も見てるから。頑張って逃げるしかないよ。だから身体能力聞いたんだけど】
【アタシくーちゃん。お腹空いたお腹空いたお腹空いたお腹空いたお腹空いたお腹空いたお腹空いたお腹空いたお腹空いたお腹空いたおなかすいたああああああああああああああああ】
「コエーわ!」
べし! と思わずスマホをチョップしてしまった。ポーンと飛ぶスマホ。慌てて取りに行こうとしたが。
「やーっほ~!」
「ああああああ来やがった馬鹿あああああやっほー!」
こればかりは仕方ない、やまびこなのだから。
「セルフGPS!!」
自分で自分の位置を知らせてしまう。しかも絶妙に全回復させない回数だ。
「あんなスレタイあげるんじゃなかった!」
考えてみたら自分のせいだ。ヒマを持て余した妖怪が一体どのくらいいたのだろう。喰羅にとっては便利な世の中になったものだ、ご馳走が居場所を教えてくれるのだから。
――ああああああああああ、アタシいいいいいいいいいいくううううううううううううううちゃああああああああああん!
「来やがった、って想像と違ええええええ!」
くーちゃん想像図は美少女→中高年の女性 だったのだが、目の前にいるのはどう見ても。
「お岩さんがオキシトシンの化学式みたいなくっつき方してる!」
微妙にわかりにくいが、恐ろしい顔の女の顔がいくつも複雑に絡みながら蠢いているということである。全員口をパクパクさせているのだからそれはもう。
「いや普通に面白い、ぎゃっはははは! 不細工にもほどがあるだろ!」
やまびこも妖怪だ、笑いのツボが人間とは異なる。公園の池で手を叩くと餌を貰えると思って群がって来る鯉の群れにしか見えないのである。
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