3人が本棚に入れています
本棚に追加
古びた遊園地
かつては
笑顔に満ち溢れた
かの観覧車も
今では
ツタが覆ってしまって
人々は近づかない
かつては
歓声が空を貫いた
かのコースターも
今では
閑静な夜を演出し
人々の記憶の中
かつての輝きが
虚構だったことを
肯定するものばかり
そこいら一帯だけが
まるで厚い雲に覆われたように
まるで明けない夜に呑まれたように
暗く沈んで浮き上がらない
ただひとつ
かつての輝きを
肯定するものは
入口に佇む
老夫婦
最初のコメントを投稿しよう!