暗中模索

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 みおちゃんを連れてエスカレーターに乗った彩は、フロアガイドを検索していた。それで一階のインフォメーションに行けば何とかなりそうだ、と見当をつけた。  二階に着いて、みおちゃんの手を引いて一階に向かうエスカレーターに乗ろうとしたとき、 「おしっこ」  と、みおちゃんに言われた。  え、トイレ?  彩はエスカレーターから離れ、トイレを探した。 「あ、あっちだ。急ごう」  促したが、みおちゃんは歩き出さないで両手を上げた。 「え?」 「だっこ」  歩けないってこと? 「わかった。でも、私も荷物もっているからしっかり掴まっていて」 「うん」  彩は購入したオムツを左手にしゃがみ、みおちゃんを右手で抱えて立ち上がった。 「急ぐね」  小走りでトイレに向かう。  
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