最後の回復魔法

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 ついに魔王と決戦することになった。  巨大な紫色の魔王が勇者の俺達三人に向けて火を吹いた。  魔法使いのリンがバリアを張るがそれでもダメージは大きい。  剣士のサンが火を掻い潜り、魔王の体躯を斬りつけるがそれほどダメージは与えれなかった。  勇者の俺は伝説の剣を携えて魔王の脳天に斬撃を放った。  戦いは長期戦にもつれ込んだ。  俺もリンもサンも既にぼろぼろの状態だった。  魔王の方も三人の攻撃によってだいぶ弱っていた。  回復魔法があと一回だけ使える状態だった。  その貴重な魔法を誰に使うかはこの状況下でとても大事なことだった。  ふと前を見ると魔王が巨大な体躯に似合わず瞳から涙を絶え間なく流して苦しんでいた。  俺は悩んだ挙句、魔王に回復魔法を使った。  するとリンとサンからはものすごく怒られた。  でも魔王は最後の一回の回復魔法を使ってくれたことが嬉しかったようで戦うのをやめて降参した。  世界は魔王や魔物と共存する優しい世界に変わった。
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