夢ぎわロストバージン

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浮いている。着地する場所が見つからなくて。 笑っていたのに、振り向けば泣いてる。 こんな自分が好き。嫌い。嫌いなときがちょっと多い。でも好き。 価値は。 「空見先輩」 「なに」 「空見、って名前。いいですよね」 「そう? よく言われる」 そらみ。 みんなが先輩を呼ぶと、歌をうたっているみたい。 そらみ。ソラミ。 ソラシドドレミ。 音が重なって、天に吸い込まれる。 天啓。 空見先輩を選んだ、その五。 「やっぱ、きつそう」 信じられないような場所に、長い指を突っ込まれて。
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