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来てしまった……。
勇気を振り絞って篠原くんに辻の住所を教えてもらったら、案の定ニヤニヤしながら見送られた。
篠原くん、絶対面白がってる。
そして来たはいいものの、どうしたらいいのかわからず、呼び鈴を押せないまま、玄関前でうろうろ、うろうろ。これ、絶対不審者だよね。通報される?
ううん、怪しくない。一応、休んでいる授業のプリントも預かってきたし。
あー、でも、わざわざ来ているあたり、なんか重いかな。
もしかしたら、引かれる?
だって熱高いんだもんね。しんどいところに会いに来るなんて、良くなかったかな。
勇気を出せないまま、変わらずうろうろしていたら、目の前の玄関が勢いよく開いた。
「東条……」
熱のせいかうるんだ瞳をして、上下スウェットにマスク姿の辻が、信じられないものを見たかのように驚いた顔をしていた。
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