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「いーい? じょうの中に入って彼を乗っ取れるのは、あと一回。これで最後だよ?」
夢の中で、黒いマントについたフードを深く被っていて顔が見えない魔女が、そう告げる。
これまで二回。私は大好きなじょうを乗っ取ってきた。
私と──交際させるために。
でも失敗に終わっている。
一回目はともかく、二回目は明らかに私──ひなみへ好意があるように振る舞ったのに。
きっと、あと一歩が足りなかった。
私もじょうを乗っ取っている間に、分かりやすい言葉で決定打を打たなかったのが悪い。
「今度こそ成功させる。じょうになって、私に告白をして。付き合うんだ」
私は魔女に力強く宣言した。
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