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「お二人はどういう学生だったんですか?」
「有馬はドゥードゥルの天才、御堂はオブジェ制作の天才だった」
「ドゥードゥルってなんでしたっけ」
「落書きだよ」
英語で落書きや殴り書きを意味するDoodleだが、有馬が描く幾何学的な図は殴り書きとは言えない程に美しい。
僕は在学中に有馬と友人がふざけて壁いっぱいに落書きを描いた動画を見せた。
「速いし、正確ーー!」
「そういえばこの頃、教室中に落書きしたいって言ってたっけな」
スマホの画像をスライドすると、御堂の作った謎オブジェの写真が出て来た。
「でっか」
「御堂は身長より高いUMA擬を作るのが好きでさ」
キリンとサイが合体したような真っ白い動物はどこにも存在しないのに、圧倒的な存在感を放っていた。僕はよく撮影係に呼ばれた思い出がある。
(御堂さんも有馬も、もうこういうのは創らないんだ)
渡された作品集を見てもわかる。もう立派な社会人になった二人は、こんな子供じみた作品には縁がない。
黒須は動画の中で友人達と笑う御堂さんを羨ましそうに見ていた。
「良いなぁ」
「え?」
「あたし、ずっと独りで創って来たんで」
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