II

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 19時。懐かしい白髪の恩師によって教室に集められたのは僕達4人にーーもう一人。 「すみません! 残業で遅れました!」 「おぉー、西条」  遅れてやって来たのは、黒髪ボブに赤い眼鏡の落ちついた女性。僕は隣の黒須に声を掛ける。 「知ってる?」 「66期の首席の西条楓さんですよ。キャラクターデザインがとっても上手いんです」 「聞いたことなかったな......」 「先輩達65期生ってレジェンドって呼ばれてるんですよ。皆個性的で就職もかなりうまくいって、でも、それからの代はーー」  黒須の話は恩師によって遮られた。 「聞いてるのか黒須」 「は、はい!」 「ーーというわけで、講演の他にこのメンバーで展示をしてもらう」
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