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エントランスの中央には、アルテールとその護衛の者たちが立っている。それを遠巻きに見ている巫女や聖騎士、もしくはその見習いの者たち。
アルテールは誰かを待っているようだった。だが、この大聖堂にまでわざわざやって来て、会いたいと思うような人物は一人しかいないだろう。
カツーン、カツーンと足音が響く。
「あ、聖女様」
カリノが口にすると「しっ」とすぐに隣の巫女に制される。
「わたくしがラクリーアです。今日は、どういったご用件でしょうか」
眩耀たる銀糸の髪を背中に流し、燃えたぎるような赤色の目はアルテールを睨みつける。
普段のラクリーアからは考えられないほどの鋭い形相だ。
彼女の後ろには、聖騎士が五名、ずらりと並んでいた。その真ん中にいる聖騎士が、専属護衛だと聞いたことがある。どこか中性的な顔立ちで、黒髪は後ろで一つに束ねている聖騎士だ。
あの聖騎士よりもキアロのほうがラクリーアの側にいる騎士としてふさわしいのに、とカリノが思ってしまうのは、やはり身内のひいき目によるものかもしれない。
聖騎士らからは、ラクリーアを守るというお思いがひしひしと漂っている。
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