第六章

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第六章

「おはようございます」  司令室に入ったフィアナはタミオスの視線に気がついた。チラリと顔を向けると目が合う。  こいこいと、タミオスが手を振っている。朝から大声で呼ばれなかっただけマシだと思うことにした。  荷物を自席に置いたフィアナは、小さくため息をついてからタミオスの元へと向かう。 「おはようございます、部長。何かありましたか?」 「昨日は、何をして過ごしたんだ?」  タミオスが私的なことを聞いているわけではないとわかっているのだが、周囲にはそう思わせる必要がある。だけど、上司であるタミオスが、あまりにもフィアナの私的な内容に踏み込んでしまえば、上司からの嫌がらせと思われる可能性もある。 「はい。ナシオンさんとデートしておりました」 「なるほどな。で、どうだった? デートは、楽しかったか?」 「どうと言いましても……。二人で川沿いを散歩して、お弁当を食べておしまいです。あ、ナシオンさんからは素敵なプレゼントをいいただきました。どうやらナシオンさんは、宝探しが上手なようです」  フィアナがにっこりと微笑むと「なるほど」とタミオスも頷く。 「久しぶりの休暇を満喫できたようで何よりだ」
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