第六章

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「それとはまた違いますね。仕事をするうえでの仲間です。私たちは、単独行動が禁じられています。そして女性騎士は少ないため、どうしても男性と組む必要が出てきてしまうのです」  カリノが小さく顎を引いたのを見て、なんとか納得してくれたようだと胸をなでおろす。 「ですが、今日のこのことについては、彼にも協力を頼む必要があります。それは、よろしいですか?」 「はい。騎士様が信頼されている方であれば」 「ありがとうございます。私は、真実を明らかにしたいと思っています」 「その結果、王族を敵にまわすことになってもですか? わたしは怖くて、アルテール殿下の言葉に従っています。誰かに助けを求めたとしても、同じ巫女では力にならないですし、聖騎士様に伝えても、相手が王国騎士団では勝ち目がありません。枢機卿や教皇様には、私からは伝える手段がありません。雲の上のような方たちですから」  今の話によって、一般的な巫女と、枢機卿や教皇との関係性が見えた。 「ところで、キアロさんはどちらにいらっしゃるのですか?」
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